基盤長挨拶



京都大学研究連携基盤
基盤長 小柳 義夫


京都大学には、約2,700人ものたくさんの研究者教員がいます。学部生(約13,000人)、ならびに、修士課程院生(約4,900人)と博士課程院生(約3,600人)の研究教育を担当する学部組織ならびに大学院研究科に籍を置く研究者教員に加えて、京都大学には20にものぼる附置研究所と研究センター(研究所センター)専属の研究者教員がいます。これら研究所センターの教員や研究員に特に求められる使命は、世界に通用するきわめてオリジナリティーの高い研究成果です。京都大学の研究所センターに所属する研究者教員、研究員、大学院研究科から派遣される大学院学生らのそれぞれの研究活動、そして、研究所センターが中心となって特別プログラムを組んで行う「未踏科学研究ユニット」という研究活動の連携を支援するのが、京都大学研究連携基盤の役目であります。特に、若手研究者の海外派遣、招聘、出版、論文作成の支援、そして、「未踏科学研究ユニット」の研究支援などがあります。平成27年4月に学内組織として発足しました。

京都大学研究連携基盤は、オリジナリティーを追求する研究者がだれも踏み入れたことがない前人未到の科学の推進を強く進めています。前人未踏という言葉を初めて聞いた記憶は50代半ば以上の世代にとって、月面着陸のアポロ11号、あるいは、9秒台で走り抜ける100メートル走のメキシコオリンピックをテレビで見とれていた子供のころのものと思います。ところが、大人になって未踏という言葉がつかわれるのは、宇宙飛行士やスポーツ選手に限られるものではないとわかってきました。科学領域では、前人未踏という言葉が似つかわしいことがすくないのです。ダーウィンの進化論、宇宙の膨張性、生命の設計図としてのDNAの構造と機能(ワトソン・クリックモデル)、特定の電子軌道により決定される化学反応(フロンティア電子理論)、経済活動における非協力的なゲーム理論(ナッシュ均衡)など、その例は数多くあります。だれも想像していなかったことを理論化し、それが実験的にそして現実の社会で実証されることが科学の本当の成果です。このような多岐にわたる事象の深淵を解明するのが研究者の仕事です。京都大学研究連携基盤では、前人未到の分野で研究者が大発見に至るための「未踏科学研究ユニット」の研究推進を特に進めています。異分野の研究者が広く広く、深く深く、出口がすぐに見つからなくても研究を進める研究所センターの研究者をまとめていきます。チャレンジ精神を通じて、まったく新しい能力(脳力)を具備した次世代研究者を飛び立たせることも使命のひとつであります。

今後、京都大学研究連携基盤が推進します研究・教育活動にあたたかいご支援をいただきますようお願いいたします。


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