第78回 京都大学丸の内セミナー



平成29年1月6日(金)18:00より



叛乱集団の形成──『水滸伝』梁山泊の世界



井 波 陵 一(京都大学人文科学研究所 所長)






 『三国志演義』とならぶ中国通俗長篇小説の代表作『水滸伝』は、「侠」の物語と呼ばれる。「弱きを助け、強きを挫く」英雄たちが縦横無尽に活躍し、やり口の汚い人間のどろどろした欲望を、文字通り血みどろになりながら、ことごとく打ち砕いていく。不条理な現実に対する彼らの怒りが、革命的様相を帯びることは言うまでもない。それゆえ、「天に替わって道を行う」ことを旗印として梁山泊に集結した彼らは、まさしく叛乱集団となった。この集団はどのように形成されたのか、どのように変質して、どのような結末を迎えたのか。物語の展開に沿って考えてみたい。



  (1)雲は焼け、道は乾き──歩き続ける男たち(梁山泊以前)

  (2)砦の上にわれらの世界──梁山泊の誕生

  (3)誰かが風の中で──宋江のさすらい

  (4)築き固めよ、勇ましく──梁山泊の組織化

  (5)聚義から忠義へ──リーダーの交代

  (6)招安をめぐる対立

  (7)招安以後──漂流する梁山泊

  (8)方臘征伐──最後の闘いと英雄たちの離散

  (9)梁山泊とは何か?




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