第80回 京都大学丸の内セミナー

平成29年3月3日(金)18:00より


意 思 決 定 の 脳 科 学
小村 豊(京都大学こころの未来研究センター 教授)







我々の日常は、意思決定の連続である。その本質は、反射や習慣とは対照的に、迷いを抱きながら、合目的的に行動を決定するところにある。実際、私たちは、迷いに合わせて、様々な適応行動をとる。例えば、より正確な情報を得るために、異なるソースを探索したり、煮詰まるほどの迷いであれば、逃避することだってあろう。しかし、これまで、脳がどのように、意思決定における「迷い」を検知し、それをもとに、様々な適応行動につなげているのかは、不明だった。講演者は、まず、動物実験において、脳深部にある視床領域に、その迷いの程度(確信度)をコードしているニューロン群を発見し、その信号を使って、動物が逃避するか、探索するかの行動を決定することを明らかにした。この手法を、ヒト実験に応用すると、動物同様の心理物理関数が得られた。これらの結果をもとに、私たちの意思の機構論と適応論を考察したい。







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