10回品川セミナー

「大きな核融合、小さな核融合 
−エネルギー源・中性子源としての開発−」

平成2日(金)
7:30より

長崎百伸(エネルギー理工学研究所・教授)
増田 開(准教授)

核融合反応は水素のような軽い原子同士が融合し重い原子に変わる反応であり、恒星・太陽のエネルギー源として知られています。

エネルギー理工学研究所では、核融合発電炉の開発に向けてヘリオトロン磁場配位という概念を独自に創案し、プラズマ閉じ込め最適化を目指した実験装置「ヘリオトロンJ」を建設、現在、実験研究を精力的に進めています。また、世界の動向を見ると、ヨーロッパ・米国・ロシア・中国・韓国・インドそして日本の7極の国際協力によって国際熱核融合実験炉(ITER)がフランスのカダラッシュに建設中で、核融合炉の実現にむけた研究は新しい時代に入りました。

また、核融合反応によって生じる高エネルギーの陽子や中性子は、ガン治療や、ガン検査に必要な元素製造、爆発物や禁止薬物の検知など、発電以外にも利用することができます。慣性静電閉じ込め(IEC)核融合装置はコンパクトで制御性、安全性に優れた中性子源・陽子源として、様々な分野での応用が期待されています。エネルギー理工学研究所では、このIEC核融合メカニズムの解明と、実用化に向けた高出力化を目指しており、その研究開発の現状についても紹介いたします。