第134回 京都大学丸の内セミナー
(現地/オンライン)

無機物に分子が組み込まれ、生まれる新材料「超セラミックス」

令和日(金)18:00 ~19:30

 堀毛 悟史(高等研究院 物質-細胞統合システム拠点・連携主任研究者/理学研究科・教授)

  私達の生活を支える材料において、いわゆる三大材料とは金属、高分子、そしてセラミックスです。陶磁器などに用いられるセラミックスは一般的に金属以外の無機物を総称し、酸化物や炭化物などが知られています。過去30年の間、これらに代わる新しい材料の創出が試みられてきました。例えば有機分子を弱い力で集合化させて得られる超分子はその一例です。また金属と分子を化学結合でつなぎ合わせ得られる無機ー有機ハイブリッド材料も多く検討され、一部が実用化されてきました。今回の講演では、セラミックスに分子を入れ込むことにより得られる新物質・新材料について紹介します。従来の硬く、脆いという印象のセラミックスは、分子を入れることにより、柔軟かつ靭やかになります。また固体が融ける温度も大幅に下がるなど、独自の材料特性を得ることができます。私達は分子が入ったセラミックスを「超セラミックス」と呼び、学術の再構築と新発見を目標に研究を進めています。その内容を紹介します。