未踏科学研究ユニット研究報告会2024 Final
京都大学研究連携基盤未踏科学研究ユニット報告会2024 Finalを開催しました
日 時 :2024年12月7日(土)10時-17時
場 所 学術情報メディアセンター南館 マルチメディア講義室201号室
現地開催、およびWeb開催(Zoom使用)
本学の18の附置研究所・研究センターで構成する京都大学研究連携基盤では、令和6年12月7日(土)午前10時から第Ⅱ期未踏科学研究ユニットとしては最終回となるユニット報告会2024Finalを学術情報メディアセンター南館をベースにハイブリット形式により開催し、会場参加の他、今回初めて一般募集したオンライン参加も併せて約120名の参加がありました。
プログラム前半は、關口格副基盤長(経済研究所長)の司会により進められ、辻井敬亘基盤長の開会挨拶・基盤活動の紹介に引き続き、「未来を切り拓く量子情報ユニット」の高柳匠副ユニット長によるユニット紹介及び3名の発表者による研究発表、「持続可能社会創造ユニット」の長谷川健ユニット長によるユニット紹介及び3名の発表者による研究発表が行われました。
プログラム後半は、辻井基盤長の司会で、「多階層ネットワーク研究ユニット」の今井啓雄ユニット長によるユニット紹介及び3名の発表者による研究発表、「データサイエンスで切り拓く総合地域研究ユニット」の三重野文晴ユニット長によるユニット紹介、2名の発表者による研究発表があり、甲山治東南アジア地域研究研究所教授からは次期未踏科学研究ユニット活動を念頭に置いた将来構想の説明が行われました。
その後の全体討論では、まず各ユニット長等から第Ⅱ期未踏科学研究ユニット活動の総括・感想として、「未来を切り拓く量子情報ユニット」からは、量子技術の急速な発展という状況のなか、部局間の共同研究が予想を超えた広がりを持つことができた、「持続可能社会創造ユニット」からは、研究連携基盤を小さくしたようなユニットで多様な分野が集まっており、普段では絶対に一緒に議論できないような相手と議論ができるなど、異なる視点での議論ができた、「多階層ネットワーク研究ユニット」からは、当初はコロナ禍のためそれぞれの研究からスタートし、情報交換を通して他部局の状況も見えてきて研究が広げられた、「データサイエンスで切り拓く総合地域研究ユニット」からは、ワークショップやオンラインを通じて海外を含め外部からの情報インプットに注力したことが有意義であった、さらに今後に向けては、研究科をどのようにして巻き込むかやユニットをコアとした外部資金を含めた財源獲得が重要であり課題でもある、などの意見が出されました。また、学際分野の博士論文が出た場合の現在の学位審査体制や論文数・インパクトファクターに限らない研究者の新たな評価軸が出せないかなどについても意見交換が行われました。
最後に時任宣博副学長からは、研究連携基盤が研究所・センター間のネットワーキングの良いプラットホームとなっていること、教育改革・大学院教育の観点からは研究所・センターがILASセミナーなどを活用することで大学院生がオンサイトの研究に触れる良いチャンスを提供しえること、附置研究所・センターシンポジウムと同様に未踏科学研究ユニットが外部へのアピールの機会をもっと持ってもよいのではないかなどのコメントがあり、今後、未踏科学研究ユニットの第Ⅲ期活動として新たなステージを目指してほしいとの期待が述べられました。
学術情報メディアセンターの森センター長には、会場の提供をはじめとして発表会の運営に多大のご協力を頂きました。改めて御礼申し上げます、ありがとうございました。
研究連携基盤では、このような未踏科学研究ユニットの運営や次世代研究者支援を通じて学際的研究の推進、若手・女性研究者支援を引き続き行うとともに情報発信についても尽力して参りますので、皆様のご理解・ご支援をお願いします。
研究連携基盤の概要説明を行う辻井基盤長
未来を切り拓く量子情報ユニットの概要説明を行う高柳副ユニット長
持続可能社会創造ユニットの概要説明を行う長谷川ユニット長
多階層ネットワーク研究ユニットの概要説明を行う今井ユニット長
データサイエンスで切り拓く総合地域研究ユニットの概要説明を行う三重野ユニット長
総括・挨拶を行う時任副学長
<プログラム>
10:00~10:15 開会挨拶・活動紹介 辻井敬亘(研究連携基盤長)
10:15~11:10 未来を切り拓く量子情報ユニット
ユニットの説明・概要について
青木愼也(基礎物理学研究所・教授/ユニット長)
高柳 匠 (基礎物理学研究所・教授/副ユニット長)「量子暗号における予測不能性」
山田 匠悟(基礎物理学研究所・M2)「量子カオスとスクランブリングの非同一性の発見」
手塚 真樹(理学研究科・助教)「Connections between expected utility theory and quantum information science」
Andres Ducuara(基礎物理学研究所・特定助教)
11:10~11:25 質疑応答
11:25~12:25 持続可能社会創造ユニット
ユニットの活動について
長谷川 健(化学研究所・教授/ユニット長)「創薬・生命科学研究を加速する光ラジカル反応技術」
大宮 寛久(化学研究所・教授)「銅あるいはチタン触媒を用いた木質バイオマスの熱分解による生成物の特性と応用可能性の評価」
畑 俊充(生存圏研究所・講師)「水災害リスクに及ぼす気候変動の影響予測」
佐山 敬洋(防災研究所・教授)
12:25~12:35 質疑応答
(休憩)
13:30~14:25 多階層ネットワーク研究ユニット
ユニット活動の紹介
今井 啓雄 (ヒト行動進化研究センター・教授/ユニット長)「リターの分解速度が平衡状態におよぼす影響はリターの流出入パターンに依存する」
山内 淳(生態学研究センター・教授)「Primate coat coloration and its evolution」
Xiaochan Yan(ヒト行動進化研究センター・特定助教)「Genome sequence analysis of the sex chromosomes (XY and ZW) in Glandirana rugosa」
Divya Shaji(ヒト行動進化研究センター・特定助教)
14:25~14:40 質疑応答
14:40~15:35 データサイエンスで切り拓く総合地域研究ユニット
ユニットの活動の紹介
三重野 文晴(東南アジア地域研究研究所・教授/ユニット長)「災害の記憶とデータサイエンス-2004年スマトラ地震・インド洋津波被災地の事例から」
西 芳実(東南アジア地域研究研究所 准教授)「Data-driven approaches to explore energy access, efficiency, and well-being in Mexico and Southeast Asia」
Jordi Cravioto Caballero(エネルギー理工学研究所 特定助教)「次期ユニットの計画について」
甲山治・三重野文晴(東南アジア地域研究研究所)
15:35~15:50 質疑応答
(休憩)
16:00~16:45 全体討論・意見交換
16:50~16:55 時任 宣博 副学長総括
16:55~17:00 閉会挨拶 辻井敬亘(研究連携基盤長)