第17回品川セミナー

“自然の恵み”とは何だろう−地球を変えた生物の進化− 

平成23107日(金) 17:30より

椿 宜高(生態学研究センター、教授・センター長) 

生態学は生物と環境の相互関係を探求する学問です。生物にはどんな環境が必要なのかを調べるだけではなく、生物が環境をどう変えているのかを研究します。このセミナーでは、生態学の視点から「自然の恵み」の起源について考えてみたいと思います。

  私たちは、衣食住に必要な材料のほとんどを、生物が作り出した産物から得ているのですが、それだけが“自然の恵み”ではありません。私たちが呼吸する酸素の供給も、水の浄化も、ほとんどは生物の働きに依存しています。さらに、人間の心や美意識、文化も生物たちから大きな影響を受けています。

  人間がこの地球で生活できるのは、生命誕生以後、生物たちが地球の環境を劇的に変化させるような大発明(進化)を繰り返してきたからなのです。たとえば、シアノバクテリアが光合成能力を持つことで大気の組成は大きく変化し、動物や植物が大繁栄したことはよく知られていますが、その他にも世界を変えてきた進化はいくつもあります。どんな進化が世界を変えてきたのか、いくつかのトピックについてお話しします。