53回品川セミナー

はじめに光あり
(光エネルギー応用に向けた光科学とナノサイエンスの接点)

平成26103日(金) 17:30より

松田 一成(エネルギー理工学研究所・教授)

普段の生活において、人はいろいろな形で“光”と接しており、光と人間の生活は切っても切り離せない関係にあります。光に関する学問は光学と呼ばれており、歴史を遡れば紀元前の昔から、その探求(研究)が行われています。特に近年、光そのものの研究だけでなく、ナノサイエンス・テクノロジーとの接点を通して、光を様々な形で利用したり応用したりするための研究・開発が進められています。例えばそれらの例として、効率の高い蛍光材料、消費電力の低い照明光源LED、太陽光を有効なエネルギーとして利用する太陽電池などがそれに当たります。それらには、必ず材料(物質)が使われており、その材料(物質)中では、光から電気(光)、もしくは電気から光などへの変換が利用されています。そのため、次世代の光エネルギー応用を目指して、ナノサイエンスやナノテクノロジーを駆使しながら、新しい材料(物質)の中で起こる効率の高い光から電気(光)への変換を理解し、それを応用へと繋げる道筋をつけることが重要となっています。

 本セミナーでは、ナノメートルスケールのサイズの(材料)物質を利用した光科学や光エネルギー応用に向けた研究の進展と、それらに関連する研究トピックスについて紹介します。