第121回 京都大学丸の内セミナー

第121京都大学丸の内セミナー

雄と雌の対立が作り出す植物と花の多様な性

令和日(金)18:00 ~19:30

 酒井章子生態学研究センター 教授)

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 雄と雌はお互いがいなければ子を残せない、お互いに協力することを運命づけられた関係にありますが、その利害はいつも一致するとは限りません。このような雄と雌の間の利害の不一致は性的対立と呼ばれ,動物でさかんに研究されてきました。一方、多くの植物は雄の機能(雄しべ)と雌の機能(雌しべ)を兼ね備えた生殖器官「両性花」を持つ両性具有です(図1)。両性花では、性的対立は1つの花の中で起こりえます。両性花では、しばしば雄と雌が空間的(図1)、時間的(図2)に分かれていますが、これは少しでもその対立を解消しようとした結果だと考えられています。さらに、両性花に加えて雄花をつける(図3)、あるいは動物のように雌雄が別個体であるものも少なくありません(図4)。本講演では、植物個体と花の性表現の多様性から、雄と雌の不思議な関係について考えてみたいと思います。

図1.オオイヌノフグリは、雄しべと雌しべを持つ「両性花」をつける。雄しべと雌しべは空間的に離れている。

図2.リュウキュウウマノスズクサ の両性花では、雌雄が時間的に分かれており、開花直後は雌で、その後雄になる。

図3.ツユクサは、「両性花」(左)に加えて、雌しべのない「雄花」(右)をつける。

図4.アカメガシワには、雄しべしかない花を咲かせる雄株と雌しべしかない花をつける雌株がある。