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第151回 京都大学丸の内セミナー
令和8年4月10日(金)18:00 ~19:30
佐山 敬洋(防災研究所・教授)
近年、地球温暖化の影響が顕在化し、豪雨による洪水災害が激甚化しています。地球温暖化が及ぼす水災害への影響を科学的に理解し、将来のリスクを推定し、さらにリアルタイムで状況の変化を予測するためには、水の循環を科学的に扱う水文学の知見と技術が欠かせません。
本講演では、まず洪水を予測する数値モデルや観測データの活用など、防災の科学的アプローチを紹介します。水文学の科学的知見を反映した数値シミュレーションモデルを構築し、コンピュータ上で降雨流出や洪水氾濫の現象を再現します。温暖化の影響評価では、最新の気候変動の予測結果から洪水をもたらす大雨の事象を多数抽出し、上記のモデルに入力することによって、温暖化が洪水の激甚化に及ぼす影響を予測します。そうした科学的知見は、国土交通省などの河川管理者とも共有されています。
温暖化で水災害の頻度が高まり、その強度が増加するという予測のもと、どのようにハード・ソフト対策を組み合わせて、水害リスクを軽減するかが課題となります。本講演では、流域治水の中でも、特に私たちの生活にも大きく関係する土地利用のマネジメントを通した長期的な減災戦略について、最近の動向や課題を議論します。最新の科学を活用して、洪水という自然現象をどのように予測し、防災・減災に活用しているのかをお伝えしたいと思います。
日本全国河川を対象にした確率流量マップ
再現期間(RP)100年に対応する洪水流量の(a) 2°C上昇時、(b) 4°C上昇時の推定増加率。(〇の色は一級水系の基準地点における洪水流量の推定増加率を示す)(Chen et al., 2024)
気候変動による風水害・複合災害への影響を評価するための統合ハザードモデルの開発
令和6年能登半島豪雨を対象にした降雨流出氾濫解析の例