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第153回 京都大学丸の内セミナー
令和8年8月7日(金)18:00 ~19:30
講演者:田村 正純 (エネルギー理工学研究所 教授)
近年、マイクロプラスチックに代表される海洋プラスチックごみ問題が顕在化して
おり、その適正な処理技術の開発が急務となっています。一方、石油資源の枯渇が懸
念される中、石油由来の化学品であるプラスチックを単に焼却・埋め立て処分するの
ではなく、有用な資源として活用することが強く求められています。こうした背景か
ら、プラスチックを貴重な炭素資源と捉えたリサイクル・アップサイクル技術の開発
は避けて通れず、その解決策の一つとして化学的手法に基づく「ケミカルリサイクル
・アップサイクル」が近年、大きな注目を集めています。
プラスチックの効率的かつ選択的な化学変換を実現する上では触媒技術が極めて重
要であり、なかでも耐久性、再利用性、分離回収性に優れる不均一系触媒の開発こそ
が、実用化の鍵を握ります。本講演では、プラスチックのケミカルリサイクル技術を
概説するとともに、プラスチックの大部分を占めるポリオレフィン(ポリエチレン、
ポリプロピレン)の変換技術に焦点を当て、最新の不均一系触媒材料の動向を交えて
紹介します。
現状の化学品の流れとケミカルリサイクルのイメージ
不均一系ルテニウム触媒を用いたポリオレフィンの化学的変換