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第154回 京都大学丸の内セミナー
令和8年10月2日(金)18:00 ~19:30
講演者:森本 淳生(人文科学研究所・所長)
近年「役に立つ」技術や学問ばかりが推奨され、文学研究の持つ意義が強く問われるようになってきました。文学、あるいは、フィクションは役に立つのか立たないのか。そもそも「役に立つ」とはどのようなことを意味するのか。一見役に立たないように見えるものにも役に立つところがあるのではないか。こうした問いを考えることは、文学やフィクションを越えて「人間」そのものの意義を問うことにもつながります。おもにフランスの文学と思想を手がかりにしながら、文学の「無用の用」について考えてみたいと思います。
Ⅰ.切り捨てられる人文系?
Ⅱ.役に立つとはいかなることか?
⑴目的と手段
物質的目的
精神的目的(生きる意味の実感)
⑵「地球消滅」後を生きのびる
Ⅲ.フィクションの意義
⑴有用性
古典主義詩学:「楽しませながら教える」
アリストテレス詩学と「カタルシス」
政治的プロパガンダ
⑵自己と異なる存在を知る
異なる時代・文化・人格
社会の周縁:疎外された人々
⑶成熟のために:言語の涵養、経験の複層性
⑷「無」の経験:ステファヌ・マラルメ
Ⅳ.人間存在の理解に向けて
フィクションの意義:有用性
フィクションの意義:自己と異なる存在を知る