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第155回 京都大学丸の内セミナー
宇宙へと拡大する人間活動を取り巻く宇宙環境: 地球、月、そして火星
令和8年12月4日(金)18:00 ~19:30
講演者:小嶋浩嗣(生存圏研究所・所長)
私達の太陽系において、その宇宙空間は、「無」の領域ではなく、薄いプラズマという電気を帯びた物質で満たされています。地球上であれば、中性の大気で満たされているので、その環境に従った現象で支配されており、それは例えば気象現象として私たちの生活に影響を与えています。しかし、宇宙は、この電気を帯びたプラズマで満たされているがために、非常に特殊な環境になっています。例えば、宇宙空間に放置された物体は、簡単に電気を帯びてしまいます(帯電といいます)。この帯電は、1ボルト程度から数1000ボルトの間で、変化しますし、また、その放置された物体の材質(導体なのか絶縁体なのか)によっても異なります。人間が宇宙へと活動範囲を広げたとき、このように特殊な電気を帯びた環境で活動することになります。また既にGPS衛星や気象衛星などは、この電気を帯びた世界で動作しています。また、今人間が利用している宇宙というのは、本当に地球の近くのみですが、今後、その利用が、月へ、そして、火星へと広がっていくことになり、それはそれで、また、異なる宇宙環境を経験していくことになります。本講演では、地球、月、そして火星へと人間が進出していく中で、私たちや私たちが送り込む宇宙飛翔体などが、どのような宇宙環境を経験することになるのかについて考えていきます。
太陽系を満たすプラズマは、太陽から吹き出して地球の磁場を変形させている太陽風プラズマと地球の大気が太陽からの紫外線などで電離している惑星大気プラズマ(電離層プラズマ)にわけられます。
人間が利用している宇宙空間は、まだ、地球のほんの近傍だけですが、これからは月にまで、その範囲を拡大していきます。